宇崎竜童 ジャポニスム・マイスターVol.5
2015年1月6日放送/レポート
「宇崎竜童 ジャポニスム・マイスター」今回は、宇崎さんのひとり語りで「祭り」について軽妙なトークを繰り広げました。
静岡の「清水みなと祭り」は66年前に、戦後の復興のために街を活気づけようとみんなで盆踊りをする祭りとして始まったもの。30年ほど前に、その「清水みなと祭り」の実行委員会から「盆踊りでは若い人が参加しなくなったので、若い人も踊れる曲を作って欲しい」という依頼が…。そのころお祭りバンドとも言われていたし、新しいダンスミュージックをつくればいいのだと考え話に乗ったといいます。
「どんなのつくればいいの?」と聞くと、「かっぽれ」を中心にしたダンスミュージックを、とのこと。実は「かっぽれ」は大阪の住吉大社で生まれた住吉踊りのことで、それが船に乗って清水の港に流れ着いた、という由来があるのだという。実際に「かっぽれ」の踊りを見せてもらったところ、16ビートのファンクだったらこの踊りに合うのではないかと「港かっぽれ、KAPPORE FUNK」という曲をつくったそうです。
「その時期、自分が日本人であることを一生懸命考えていた時期だった。外国の音と日本の音と、和の魂と、ファンクな黒人のビートとかソウルとかというものがごちゃごちゃと一塊になっていた。だからこの一曲に全部詰め込んだ。若者が踊れる、興味を示す、清水の名産とか、清水が自慢したいものを全部つめこんだ」と宇崎さん。
番組は、竜童組の「港かっぽれ、KAPPORE FUNK」を流した後、なぜ日本人は祭りが好きなのか、という話へ。
「日本の祭りはもともと収穫祭からきているのだと思う。収穫できたことを、ありがとうございますと、神様や仏様に感謝するとともに、また来年も豊かに収穫できますようにという祈願を込めて祈るのがまつり。五穀豊穣に感謝し、自分が元気でいる事に感謝し、周りのみんなが幸せになることを祈る、最も日本的な儀式のひとつとしてまつりがある」と宇崎さんは続ける。
いまや、踊りたい人や歌いたい人がいっぱいいる。歌ったり、おどったりすることで街が活性化することは間違いない…。「ぜひぜひ、皆さんも新しい祭りを作って欲しい。アイデアに困ったら宇崎のところに来て下さい。祭りは爆発だ!」と、祭りへの熱い思いを語りつつ番組を締めくくりました。
- 宇崎竜童 Profile
京都府生まれ。1973年にダウン・タウン・ブギウギ・バンドを結成しデビュー。『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』『スモーキン・ブギ』など数々のヒット曲を生み出すとともに、作曲家として、山口百恵さん等の多数のアーティストへ楽曲を提供。
映画音楽では『駅ーSTATION』(東宝1982年)『社葬』(東映1989年)などで日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞。近年では、担当した劇場音楽にて、第13回、読売演劇大賞の優秀スタッフ賞を受賞。他アーティストへの楽曲提供やプロデュース、自身のライブ活動の他、映画・舞台音楽の制作、俳優等、幅広く活動中。