宇崎竜童 ジャポニスム・マイスターVol.3
2014年11月18、25日放送/レポート
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また、兄良一郎さんは、新・純邦楽ユニット「WASABI」を創り、地道に全国の学校での演奏会を続け、弟の健一さんは、社会に邦楽の楽しさを伝える機会として、仲間の和楽器の演奏家たちが集まって開催する邦楽だけのフェスティバル「俺ふぇす」を展開しているという話に。
いま、伝統文化、クラシックとして残っているものは全て、その時代に流行ったものばかり。100年後に未来の世の中に、残していくためには、今、流行らせなければならない。そのためには、伝統は守りながらも、現代の要素を盛り込んで“創作”することが大切。それを公演や楽曲を通じて子供達や若い世代に提示し続けることで、もっと和楽器の世界を盛上げていきたい、と吉田兄弟。いま、子供たちや若者の間で、三味線が流行っていて、三味線をテーマにした漫画も登場している。吉田兄弟や他の和楽器アーティストの活動、和楽器を演奏する多くの子供や若者達、そうした様々な要素が「肩を組んでやってくる」とき、新しい文化が花開く。「10年後が愉しみ」と宇崎さん。
日本の伝統を未来につなぐ、大きな可能性を感じた放送でした。
「宇崎竜童 ジャポニスム・マイスター」三番目のゲストは、津軽三味線の吉田兄弟。
吉田兄弟がデビューした時に「あーっ、きたきた」と感じた宇崎さん。その15年前から合いたい、と思っていたそうです。プロになろうと思ったのは、兄が17歳、弟が15歳の時。その5年前に師匠が変わり、男性師匠の三味線を弾く姿が「かっこいい」と思えるようになり、三味線を弾くことが楽しいと感じられるように。そこからプロを意識するようになったという。
やがて話は、世界遺産に登録されている薬師寺での奉納ライブの話へ。そういう和風の景色の中でやるのはどうかという宇崎さんの質問に、「ライブの場合は、お客さんとのキャッチボールが大切ですが、この場ほどそれがしやすい場はない、と感じました」という吉田兄弟。和の空間に和の音楽、という圧倒的な和の世界は、それ自体が1つの絵、世界になっていると感じ、観客もそれを望んでいることを肌で感じたそうです。
- 吉田兄弟 Profile
吉田良一郎 1977年7月26日生
吉田健一 1979年12月16日生
北海道登別市出身。ともに5歳より三味線を習い始め、1990年より津軽三味線奏者 初代佐々木孝に師事。
津軽三味線の全国大会で頭角を現し、1999年アルバム「いぶき」でメジャーデビュー。邦楽界では異例のヒットを記録し、以降、現在まで13枚のアルバム他をリリース。最新アルバムは「Horizon」。
2003年の全米デビュー以降、アメリカ・ヨーロッパ・アジア・オセアニア等、世界各国での活動や、様々なアーティストとのコラボレーションも積極的に行っている。今年は「和の祭典」「三味線だけの世界」など各種公演を日本全国で展開中。
また近年、良一郎は代表的な和楽器(三味線・尺八・箏・太鼓)による学校公演を中心とした新・純邦楽ユニット『WASABI』を始動させ、健一は若手トップクラスの奏者が集結した津軽三味線集団『疾風』をプロデュースするなど個々の活動の幅も広げ、日本の伝統芸能の枠を超えて、ワールドワイドに活躍できるアーティストとして期待されている。