JAPONisme Vol.3 – 2014年秋
2014年10月1日発行 第3号
CONTENTS
- グラン・シャレに招かれて – 大谷祥子(ジャポニスム振興会副会長)
- 世界に誇る品質の紙 和紙
- アグリアート・フェスティバル2014「大地の心をきく」のご案内
- 暮らしの中のワンポイント方便
- ジャポニスム振興会開催 公演スケジュール、全16ページ
今号の試し読み:「人々の暮らしに浸透していった和紙」
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『源氏物語』には、彩りを吟味した手紙を、歌の内容と季節に合わせた草木の枝に結んで、相手方に届けるシーンが度々登場します。
平安時代、紙はすでに貴族の間では普及していましたし、それより以前、写経などを含む仏教の国家事業が、奈良時代に盛んに行われるにつれ、紙漉きの事業も全国に広まったと伝えられます。
平安遷都のころから、官営の製紙所(紙屋院)がおかれ、公文書などを記す公用紙を漉くとともに、技術者を育成しました。
古くは麻が原料だったのが、やがてこうぞが使われるようになり、主原料となっていきます。
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江戸時代、各藩は紙を主要な商品として売り出します。公用紙、浮世絵木版画用、障子紙、襖紙、さらに紙で衣料品も作られました。
紙衣(かみこ)と呼ぶ紙の衣料や、紙を撚って糸にし、布に織り上げた紙布(しふ)などです。紙布は将軍家へも献上されたそうで、現在もごく一部で織られています。
各地で紙漉きが行われるようになったのは、藩札(はんさつ・紙幣)を摺るようになったことが大きな要因でしょう。藩札は和紙に木版刷りまたは手書きで、すかしなどの偽造防止策がとられたものもありましたが、明治四年、政府により、発行が禁止されます。
現在の紙幣にも、みつまたが少しだけ使われていますが、主要な原料は輸入品のアバカ(マニラ麻。バショウ科)です。アバカの葉脈繊維は長くしなやかで、折り曲げに強いためです。
(続きは会報誌Vol.3「世界に誇る品質の紙 和紙」をご一読ください。)
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